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2024.07.09

僕はなんのためにエーウイングをやってるんだろう

7月に入り、下半期に向けての準備を着々と進めています。2024年はエーウイングにとって普通の年にしてはいけないと強く思います。ここまでを丁寧に積み重ねてきた「考え方」はエーウイングの財産です。その財産を振り返りながら整理すると、どんな言葉が出てくるのか。長い文章にはなりますが、社長から見た今のエーウイングです。

僕は小さい頃からクリエイティブなことが好きな少年で、星新一や藤子不二雄に影響を受けSF小説を書いたり、ゴジラに影響を受け小学生にして友達と特撮を撮影・編集する一方、数学や物理学にのめり込み中学生になると学校や塾で学んだことでは飽き足らず、参考書を片っ端から攻略していました。そのうち問題を解くだけでなく問題を作り始め友達に配るような一度ハマるととことんな性格でした。

高校生になると今度は音楽と出会い、仲間と共にクリエイトすることの楽しさに没頭。大学にはいかず、そのまま音楽の道へと進んでいきます。音楽の世界は未知の世界。自分にはない新しい価値観をたくさん浴びる中でひとつの思考に辿り着きました。

「僕はなんのために音楽をやってるんだろう」

周りには様々なミュージシャンがいました。好きなことを追求するけどお客さんがいないミュージシャン。とにかく売れることが目的になって自分のやりたいことがわからなくなってしまったミュージシャン。その時に僕は、好きなことは絶対に大切にしたい。同時に好きなことが認められている状態をつくりたい。このふたつの軸が常に最適になっているようにしたいという強い気持ちが心の奥にずっとありました。

エーウイングはビジネス・テクノロジー・デザインという専門性も持ったクリエイターが存在しています。エーウイングのウェブサイトを訪れるとみっつのまるのモチーフが出迎えてくれます。このみっつのまるは、情熱的な赤色がビジネス、冷静な青色がテクノロジー、柔らかい黄色がデザインを表現し、エーウイングを構成する要素そのものとなります。

エーウイングの主なターゲットは多摩地域です。多摩地域の医療福祉、教育行政、企業と多くの取引ができるようになりましたが、実は広告代理店さんとの協業も多く、多摩地域以外のプロジェクトも同時並行しています。多摩地域以外の体験があるからこそ、多摩地域のためになると考えていますし、巡り巡って多摩地域以外のためにもなる、多摩地域という領域を見つけたことで、内外、相互に気づきが発生し続けるようになりました。

僕たちが提供している製品はウェブや動画、DTPが挙げられますが、この製品は目的ではなく手段になります。この製品たちは「伝える、伝わる」装置となりますが、どのようにしてその製品を作っているのか、根っこの目的、その本質とは?

サービスの本質を考えてみます。どのような考え方でその製品を組み立てていくのかという言語化はとても難しいのですが、エーウイングのクリエイターの本質に迫ると少しだけ答えに近づけます。クリエイターの本質の中に「存在意義のあるものをクリエイトしたい」という原理原則があります。ウェブサイトの存在意義とはなんだ?

2008年に創業してから16年という歳月が過ぎる中で、エーウイングは見事なまでに「経営あるある」という落とし穴に落ちてきたように感じます。見様見真似で流行り物に飛びつき、新しい考え方を導入しては失敗を繰り返してきました。振り返ればそういった経験は一見遠回りしたように感じるかもしれませんが、エーウイングにとっては今の状況をより大切に思えるための最適な道、最短ルートだったかもしれません。

膨大な失敗がなぜ起こったのか。ひとつの仮説として機能的価値から生み出される理想論に飛びついてしまうことが挙げられます。新しい方向を考える際、議論で意思決定することが目的になってしまい、対話で方向性を考え続けることに視点が向かなかったのだと今では理解できています。エーウイングのような女性の多い組織で、議論、意思決定、計画実行、のような男性的なプロセスだと共感も得られないですし、絵に描いた餅になることばかりでした。男女で思考を区切ることはナンセンスかもしれませんが、やはり世界には男性的、女性的という感覚があり、その言語化として機能的価値と情緒的価値があることに気づきました。世の中にもマーケティングとブランディングが存在しています。どちらか一方が優れているわけではなく、そのバランスがとても重要だと思います。

本屋さんに行ってマーケティング理論を読み漁れば、確かに数学的なエビデンスをもとに、確率の高い未来が導き出せるように感じてしまいます。こんな理由で根拠のあるものに人は飛びついてしまうのですが、未来をマーケティング理論だけで予測するという発想を変え、ブランディングによって顧客がなんのために存在し、これからどこに向かっていくのかを整理することがエーウイングはやりたいのかもしれません。今の姿とありたい姿、今の存在意義と未来の存在意義を考えることによって、確かなビジョンが生まれます。そして組織はビジョンに辿り着こうと動きはじめます。誰かの真似をしたWebサイトという装置を作れば勝手に未来が変わるわけではありません。本質的な未来を創るための強いビジョンがあり、ビジョンやそれに挑む組織にぴったりの言葉やビジュアルで表現することがブランディングなのかもしれません。ブランディングの言語化は本当に難しいです。それでも捉えやすいように、伝わるように考えた言葉が「大切な想いを、確かなものにするために。」です。

最近社内メンバー、もしくはお客様とのコミュニケーションの中で、議論なのか対話なのかということを整理してから話を始めることを意識しています。議論は問題の解決策のための合意形成。 議論は最初から解決策や結論を導きだすことに視点が向いています。 一方対話の目的は、お互いの立場や違いを理解し、そのズレを修正しながら、相互理解を深めることにあります。理想としては相互理解が深まり、信頼できる相手との間の中でアイデアを生み出せる状態、創造的対話に向かっていくことを目指すこと。社内メンバーやお客様と共に対話と議論をうまく組み合わせて共に創り上げるクリエイティブこそ僕がやりたいことかもしれません。

これまで感動するクリエイティブを作ってくれた映画監督やミュージシャン、デザイナーやアーティスト、数学者や物理学者、そんなクリエイターたちが僕らを満たしてくれています。彼らからもらったものを使ってものづくりすることが、僕らの好きなこと、やりたいことです。ここに共感してくれるクリエイターやクライアントがいるからエーウイングは存在し続けられています。

多摩地域は東京都でありながら、地方で言うところの「県民性」みたいなものがあると思います。それこそ簡単には言語化できませんが、多摩地域のクリエイターやクライアントはいつも悩んで考え続けているように感じます。結論を急がず、対話の中から何かを掴もうとジッと心の奥を覗かれているような気がします。

自分たちはなんなのかと探り続けて、あるタイミングで一時的に言語化、ビジュアル化したものがエーウイングのクリエイティブなのかもしれません。クリエイティブが存在することで、一時的にその瞬間、自分を確かめることができます。しかし時が経てばそのクリエイティブ表現はズレていきます。時と共に表現を調整し、その時々のぴったりの状態を表すようなクリエイティブを用意し続けたい。いっしょに育てたい。

こんな考えに共感してくれるクリエイターやクライアントの輪を広げながら創造的対話がしたい。エーウイングの考え方に共感してくれる仲間が増え、いつかは武道館でライブがしたい!(おいおい)ミュージシャンで成し遂げたかった挑戦は、今もずっと続いているような気がします。

ここまでお読みいただいて、ありがとうございます。Web制作会社はたくさんありますが、多摩地域の立川市にこんな考えを持った会社があるんだと知っていただけるだけで嬉しい気持ちになります。もっともっと発信力を強め「エーウイングはここにいるよ〜」と伝えていきます。

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