昨日、エーウイングは2024年最後の営業日を無事に終わらせることができました。同時に、この日をもって経営管理部マネージャーの草野が退職となりました。25歳で入社してくれた彼が11年の時を経て退職するにあたり、12月は多くのお客様に直接ご挨拶させていただき、経緯をお伝えさせていただきました。あたたかいお言葉をくださったみなさまに、感謝申し上げます。今回はブログでも本件についてお伝えできればと思います。
11年前、エーウイングが7期目に入った頃に草野はエーウイングに入社してくれました。当時クリエイターばかり採用していて、営業は僕しかいませんでした。そろそろ営業が欲しいなと口にしていたところ、ちょうど良い奴がいるから一度面接してみたらと共通の友人が引き合わせてくれました。
面接をしてみると、25歳には思えないほど、しっかりとした自分の考えや挑戦したい理由をもっていました。それはそれは即採用と考えましたが、彼の前職は日本全国に支店があるような医療機器メーカーの営業で、とてもじゃないがエーウイングなんて小さな会社に引き寄せて良いものなのだろうかと悩みました。10人にも満たない小さな会社で営業は社長しかいない状況の中で僕は草野を育てられるのか。
悩みに悩み、とりあえず彼の1年分の給与に相当するお金を借りにいきました。育てられなくて一円にもならないかもしれないが、こちらも腹を括っておこう。どちらかといえば僕の方がビビっていたんです。
そんな経緯で入社してくれた草野との二人三脚の日々が始まりました。お客様に紹介して少しずつ仕事を覚えてもらって、少しずつ一人で行動する量を増やしていきました。そして初めての受注。あまりに嬉しかったのか、記念写真が残っていました。
その頃のエーウイングでは製薬会社のイベントや撮影なども手掛けており、草野をいろいろなところに連れ回しました。同時に社内課題についても一番近いところで見聞きしており、簡単に結論が出せないような経営的な感覚も掴んでいきました。悩みもありつつエーウイングは草野の入社以降、売上を伸ばしていき、仲良しチームの会社から組織感のある会社に成長することができました。
コロナの時も、ほとんどのメンバーをテレワークにしつつも、僕と草野で社用車を使い、最低限の管理メンバーをピックアップして出社体制を作り会社を守りました。この時期は製薬会社のイベントや撮影などの仕事がほとんどなくなりました。それでもコロナのトータル4年間、振り落とされることはなく今日を迎えられているのも、草野の功績が大きかったのだと思います。
草野からの退職の意向を聞いたのは9月の終わりか10月の初め頃だったと思います。最初は到底受け入れられる気持ちになれず、僕はみっともない感じで足掻きました。最初の1週間は草野を責めました。ふざけんな。今の立場をわかって言ってるのか。どんな気持ちで育ててきたと思ってんだ。哀れな経営者の姿がそこにありました。次の1週間は僕は自分を責めました。いやだよぉ〜。寂しいよぉ〜。何がいけなかったんだ〜?やっぱり哀れな経営者の姿がそこにはありました。
ようやく受け入れなければならないと覚悟を決め、ちゃんと話が聞きたいと僕は草野を飲みに誘いました。居酒屋に入り二人でいると、コロナの前はときどき二人で飲みに行っていろいろな話をしたことを思い出しました。それから草野は今の自分の年齢を考えた時に、もう一度チャレンジしてみたい。今とは異なる新しい領域で頑張ってみたいと自分の気持ちを打ち明けてくれました。最後に「今まで向き合ってこなかった苦手なことに向き合いたい」との言葉をもらいました。この言葉をもらって、全てを受け入れることを決めました。そして泣きました。次の日は久々に一日会社を休みました。
結局、草野の退職の意向を受け取るのに1ヶ月を要しました。恋人に捨てられたような、みっともない自分がそこにはいました。それでも僕は草野からもらった「今まで向き合ってこなかった苦手なことに向き合いたい」という言葉を大切にしようと決めました。残された2ヶ月の間、草野と行動することを増やしました。最後に一緒に働いて何を感じたのか。それはまた明日のブログでお伝えします。
昨日はささやかですが、送別会を行いました。
みんなから愛されていた草野に、メッセージカードやお花を贈りました。草野の新しい未来、エーウイングの新しい未来、それぞれの未来がより良い未来に向かっていきますように。
お客様には大変なご心配、ご迷惑をお掛け致しますが、必ず安心して業務をお任せいただける体制を組みサービスを提供してまいります。僕と草野の決断について、ご了承くださいますようお願い申し上げます。