2019年の最後の日。
今まで経営者として会社を経営してきて、
今日ほど気持ちの良い日はなかったかもしれません。
その理由として、2018年の迷走がありました。
何も見えていないところに走ろうとして、
組織が崩壊しかけていたのだと思います。
たくさんの人がエーウイングを去っていきました。
仕方のない別れもあったけど、悔いの残る別れもありました。
2019年の冒頭、僕はひとつの決断をしました。
営業部に数字の全てを任せ、クリエイティブの立て直しに奔走しました。
しかし前半は、特に大きな成果を作ることは出来ませんでした。
むしろクリエイティブ部は自分たちの役割が見えなくなっていたのです。
そこで、9月にこの問題を全ての部署で考えることにしました。
最初に行ったのは、以下の3点を各部署で整理してもらいました。
・各部署の役割とは何か。
・各部署が大事にしていることは何か。
・各部署が助けてほしいことは何か。
全員参加で意見交換を何度も重ねました。
ひとりひとりの声が聞こえてきました。
中には悲鳴に近いものもありました。
本気の意見交換は、最終的に僕にたくさんの気づきを与えてくれました。
みんなからのバトンを受け取った僕は、改革に取り組みました。
何よりも大事にしたのは、みんなが自分で動ける環境を準備することです。
僕が指示を出すやり方は、もはや限界にきていたのです。
新しいやり方を作るにあたって、制作フローや制作の手助けになるツールをたくさん作りました。
そして僕自身、進行時は極力ディレクター的な役割ではなく、
プロジェクトの交通整理と、時々経験者としてのヒントを伝えるようなフォロー役に徹しました。
この新しいやり方に変えてから、
自分の役割がよくわかるようになりました。
そして、エーウイングのみんなも、自分の役割がはっきりしました。
エーウイングのメンバーのひとりひとりのプロジェクトに対しての責任や提案が、
より濃いものになっていきました。
プロジェクトを始める際のキックオフMTGでの設計部分で、
たくさんのアイデアがみんなから出るようになりました。
プロジェクト進行中の懸案事項の洗い出し方、
優先順位のつけ方もどんどんよくなっていきました。
案件完了時の振り返りMTGでも、
たくさんの次のプロジェクトに繋がる改善案が示されました。
僕はそれを全体に共有することで、改善のサイクルが生まれました。
また、今まで気づくことが出来なかった他部署の「なぜ?」がよくわかるようになりました。
「なぜ?」をチームに共有し、みんなで考えることはとても大切なことです。
新しいアイデアは「なぜ?」の先にあるような気がします。
そして、みんなで「なぜ?」の答えを見つけることは、
みんなの自信に繋がっています。
結果的に、エーウイングは営業・デザイナー・エンジニアのひとりひとりがプロジェクトのために関わり、
責任を分担する組織になりました。
スーパーディレクターが、デザイナーやエンジニアに一方的に指示を出し作り上げるやり方とは違うのです。
これが僕が作りたかったチームです。
この形がひとりひとりを大きく伸ばせると確信しています。
なぜなら2019年の最後の月、みんなの表情はとてもいい。
先日、開発部の2人と渋谷でエーウイングの未来について語り合いました。
こんなにもウェブの業界にいるのに、まだまだ知らないことは山のように。
だから、みんなでたくさん勉強して、最新のウェブ技術を追求し続けようと誓いました。
僕の一年の最後の仕事はいつも年賀状のコメント書き。
無事に終了しました。
今期は、過去最高売り上げと利益を達成する見込みです。
エーウイングは、数字を追いかけるよりも、
エーウイングのみんながどうプロジェクトに関わりたいかを理解し、
みんなが動きやすいフィールドを用意することが、
結果を生み出すことになると気づきました。
来年はさらなる飛躍の年になるよう自分が大事にしているこの考え方を、
貫き通します。
経営者の仕事は、きっとこうゆうことなんだと思います。
来年の今日も、気持ちよく年賀状のコメントを書き終えていたいです。
だから、2019年に気づいたことを大事にしていきます。